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日曜日。
人目がある昼間はゴミを捨てに来ないと踏んだ舞は、夕食を食べ終え、マンションの共有スペースに座りながら迷惑住人を待っていた。
まだ20時半を過ぎたばかり。
どのくらい待てばやってくるのだろうか。
本当にたまたま分別を忘れただけなら、あらわれないかもしれない。
本来ならその方がいいのだが、せっかく待ち伏せしているのだから、舞はこんなに準備万端なのに来ないと肩透かしに合った気分になってしまう。
迷惑行為をするくらいだから、もしかしたら寝静まってからこっそりやってくるのかもしれない。
時計を見ながら舞は、このまま待つべきなのか思案していた。
やっぱり、もう少し遅い時間に出直そう。
そう思い、立ち上がったその時。
ガサガサとビニール袋を鳴らしながら歩いてくる男が視界に入ってきた。
ーーきっと、あの人!
黒縁メガネのフレームを右手で持ち上げ、臨戦態勢に入る。
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