見間違い

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それ以来、僕は段々と女性が受け入れられなくなってきた。女性(ソレ)は僕の存在を侵害する敵だ、と僕の細胞が過剰反応をし始める。蜂に刺された後のヒスタミン反応のように。 どんなに女子が近寄ってきても避けるようになり、次第に僕は「顔はいいけど愛想の悪い男子」から「女に興味のない男子」になり、挙げ句の果てには「女に潔癖すぎる男」と形容されるようになった。 女顔なのも背が小さいのも僕のせいじゃないのに。 段々と「男のクセに女子より可愛い男」として女子からは排斥され、男子からは「女みたいな弱いヤツ」とレッテルを貼られ、居心地の悪くなった僕は必死に勉強をして、中学から私立の男子校へと入学した。 男子校は、女子がいない分だけ気が楽だった。 でも、その頃には僕は男子も苦手になりつつあったのだ。ある特定の層の男子達にとって、僕は格好の的だった。弱くて女みたいな顔のチビ、その行く末は当然ひとつ。 表立って分かりやすく苛められた訳じゃなかった。でも、チクチクと針の筵に座らせられる疎外感。バカにされたりイジられたり、ちょっと仲間外れにされたりするくらいなら許せた。女子の恨みを買うよりは数段明快で単純で、いっそ清々しくさえあった。
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