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今度聞いてみようかな。ああでも、あの男のことだから「やっぱり俺の事を好きになったから気になって……」とか自信過剰な事思いそう。めんどくさい。
おかわりしたカレーを持って席に戻り、色々考えるのをやめた。
「まあ、よく知らないし知らなくてもいいことだよ。そこそこ上手くやってるんだし、とりあえず平穏にしばらく過ごせればいい」
「杏奈も本当変わった子だね……」
「ねーそれよりさ、食べたら私の部屋でゲーム見てよ、買ったからこの前の!」
「よし即ざに完食する」
私の結婚生活話はそこで打ち切られた。すぐにオタク同士の心に火がつき、私たちは急いで食べ終えてテレビゲームをしに移動したのだった。
「あっ、何これ、やばい」
「凄いでしょ……?」
「最高、最高だよこれ」
目を爛々と輝かせた麻里ちゃんが呟いた。予想通りの反応に気分がいい。オタクとは、仲間を見つけると異様に楽しくなっちゃうのだ。
麻里ちゃんの好みは分かりきっている、絶対に気にいるだろうと確信していたのだ。
「声優も文句なしじゃない……?」
「杏奈誰推し?」
「この二番目の」
「あーはいはい、わかるわ」
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