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約束の時間キッカリになり、再び鳴らされたインターホンに気を引き締めた。
部屋はまあ、普段から交代で掃除してるし(主に巧が細かいところまでしてるし)清潔だ。簡単にだけど着替えて化粧も施した、特に問題はないはずだ。
あとは自分の部屋の鍵だけしっかり閉めておいた。間違ってあの夢の楽園の扉を開かれた日には私はおしまいだ、隠し続けたオーウェンへの愛がバレてしまう。
私は玄関の扉を開ける。
「あ、久しぶりお姉さん!」
文末に星とか音符がついてそうなテンションで樹くんは言った。画面越しで見るのとはまた違う顔の美しさ。巧とは違うタイプの、とんでもないイケメンくんだ。
「ごめんね待たせて。上がってください」
「はい、失礼しまーす!」
招き入れてスリッパを用意する。樹くんは感嘆の声を上げながら辺りを見渡した。
「すんごい家だね、巧も思い切って買ったねー」
「あはは、そうよね。コーヒーか紅茶どっちがいいかな?」
「んーコーヒーで!」
廊下を歩いてリビングへ向かっていく樹くんの後ろ姿を眺めながら、ふと一応巧に連絡をしておこうと思い立った。
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