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だから二人でゆっくり過ごしていない。付き合いましょうとなったと言っても、今までとまるで変わらない日々を送っていたのだ。
「……はあ」
訪れた今日は土曜。もちろん私も巧も仕事は休みなのでようやく話す時間もできたと言うわけだ。
が。
「色々ぶっ飛んでるんだよ〜……私何すりゃいいのよ〜……」
顔を両手で覆って嘆いた。
恥ずかしいことに三次元はまるで興味なかった私にとって人生初彼氏となる。それはいい、いやあんまりよくないけど。
何より私と巧の関係がぶっ飛んでいることが問題なのだ。
彼氏どころか戸籍上は夫。一緒にも暮らしている。すっぴんだっておにぎりのTシャツだってズボラなところだってとっくに見られているところからスタートする交際なんてある??
こんな形の関係に、私は酷く動揺していた。初めての彼氏がこんな形だなんて。
嘆いていてもしょうがないのでとりあえずベッドから起き上がる。カーテンを開けると清々しいほどの青空が広がっていた。
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