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その後私は自分の部屋に篭り、夜になってようやくリビングへ行った頃は今度は巧がいなかった。どこかへ出かけたらしかった。
誰もいない広いリビングを見てため息をつく。どうしよう、これなんかちょっとヤバい感じじゃない?
そう思い悩んだ瞬間、持っていた携帯が音を鳴らした。はっとしてみれば、救世主麻里ちゃんだった。
なんというタイミング!!
巧とこうなったことを、麻里ちゃんだけには話していた。私のオタクも契約結婚も知っているのは麻里ちゃんだけなので、必然と相談相手も彼女しかいなくなる。
私は急いで電話に出ながら自分の部屋に再び戻った。
「麻里ちゃーーーーん!!!」
『うわ、どうしたのすごいテンション!何かあったの?』
「もうだめだよ、私は三次元相手はだめだよー!」
自室に入り急いで扉を閉じた後嘆く。あいかわらずの派手な部屋が出迎えてくれる。
電話口で麻里ちゃんが呆れたように言った。
『急にどうしたのよ、せっかく三次元に彼氏……いや旦那? ができたっていうのにさ』
「それがさあ……」
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