経験値低すぎ

30/47
前へ
/382ページ
次へ
   その後私は自分の部屋に篭り、夜になってようやくリビングへ行った頃は今度は巧がいなかった。どこかへ出かけたらしかった。  誰もいない広いリビングを見てため息をつく。どうしよう、これなんかちょっとヤバい感じじゃない?  そう思い悩んだ瞬間、持っていた携帯が音を鳴らした。はっとしてみれば、救世主麻里ちゃんだった。  なんというタイミング!!  巧とこうなったことを、麻里ちゃんだけには話していた。私のオタクも契約結婚も知っているのは麻里ちゃんだけなので、必然と相談相手も彼女しかいなくなる。  私は急いで電話に出ながら自分の部屋に再び戻った。 「麻里ちゃーーーーん!!!」 『うわ、どうしたのすごいテンション!何かあったの?』 「もうだめだよ、私は三次元相手はだめだよー!」  自室に入り急いで扉を閉じた後嘆く。あいかわらずの派手な部屋が出迎えてくれる。  電話口で麻里ちゃんが呆れたように言った。 『急にどうしたのよ、せっかく三次元に彼氏……いや旦那? ができたっていうのにさ』 「それがさあ……」
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2839人が本棚に入れています
本棚に追加