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「な。なんか要約の仕方に悪意を感じる」
『どこがよ! そういうことでしょ? もっと可愛く甘えて手でも繋いでキスぐらいしたかったってことでしょう!』
「うわーーーやめろーー!!」
思い切り叫んで床に転がり込んだ。いやいや! やっぱり悪意のある受け取り方だよ! 麻里ちゃん、言い方が意地悪だ!!
もだえる私と反して、麻里ちゃんは冷静に続けた。
『杏奈、私は決しておちょくってるわけでもなく嬉しいよ本当に。ようやく中学二年生の女子としての感情が杏奈に芽生えたのね』
「さらりと人の恋愛偏差値中学二年生っていうのやめてくれる」
『恥ずかしいことじゃないって。あのね、解決策は一つしかないよ。
正直に巧さんに言うことだよ』
麻里ちゃんは至極真っ当なことを言った。私は冷静になりふうと息をつく。
わかってるんだよそんなこと。ちゃんと話した方がいいってことぐらい。
私の恋愛偏差値は中学二年生より下で、経験だってゼロに近い。いい年してびっくりするくらい中身が幼稚なんだってこと。
巧に言った方がいいんだよなあ……。
「でもさ……やっぱ普通ひくじゃん……」
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