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『んなの言わなくてもバレるって。どうせキスする時の感じとか、もっといえば夜の営み時には100%バレるでしょ』
「オーマイゴッド、ストレートすぎ」
『だったら始めに言っておいた方がごちゃごちゃせずにすむし巧さんも考えながら引っ張ってくれるでしょ』
「ごもっともですがね」
頭を抱えた。いや、ほんと麻里ちゃんが言うことは正しすぎる。隠してていいことなんか何もないんだ。
……言わなきゃ、いけないかあ。
『まあ、全部言えとは言わないけどさ。とりあえず、今日のデートは緊張で混乱してたってことだけは言っておきなよ』
「はい……」
『あーーー杏奈からこんな相談受ける日が来るなんてね! 私今日は興奮して寝れそうにないよ。嬉しいな、巧さん大事にしなよ!』
私の気持ちとは裏腹に麻里ちゃんは非常に楽しそうだった。口を尖らせて返事をし、電話をようやく切る。
そうだなあ、そうだよなあ。とりあえず、今日のデートの気持ちぐらい正直に言わねばならない。私は決してつまらなかったわけじゃないってこと。どうしていいのか分からなかっただけってこと。
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