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鼻息を荒くして、これまた調べ抜いた料理のレシピを開く。中の材料と比べて足りないものを確認し、まずは買い物に行こうと意気込み近くのスーパーへ駆け出して行った。
「………………」
私は無言で時計を見上げた。
テレビも何もつけていない部屋は無音だ。時刻は昼を過ぎてもう十四時になっていた。
朝スーパーに行くときに気が付いたのだが、駐車場に車がなかった。つまり、巧は私が起きてくるより先に出かけていたのだ。
それでもすぐに帰ってくるだろうと軽く考えていた。昨日の本屋みたいに、簡単な買い物にでも行っているかなあと。
だって一応付き合ってる……というか結婚してるんだけど、それでいて一緒に暮らしているんだから、休日に一日出かけるなら一言くらいなんかあるのかと思って。以前のルームシェア状態とは違う。
きっと昼前くらいには帰ってくるかなあと思って料理を作った。ところが、この通り巧は未だ帰ってきていない。完成させた料理たちはラップの下でとうに冷めてしまっていた。
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