2838人が本棚に入れています
本棚に追加
テーブルの上に置いておいた携帯を手に取る。特に着信はなし。昼ごろ、痺れを切らした私は巧にLINEを送っていた。「お昼ご飯どうする?」と。
既読すらなっていない。
「…………も……自由すぎだろあの男……」
椅子の上で膝を抱えてそこに顔を埋めた。
私たちの関係はあまりにイレギュラーだ。
普通付き合う前に電話したり、LINEしたりして連絡を取り合ってから親しくなる。私たちにはそれがない。
一緒に暮らす前に交わした約束は家事の分担のみで、あとはお互い自由に暮らしていた。どこで食事を取ろうが何時に家に帰ろうが自由だったのだ。それが突然恋愛関係になった。今までの生活態度をどうするかは話し合っていない。
私の感覚が変なんだろうか。巧は今までみたいな暮らし方でこれからもやってくつもりだったんだろうか。
でもだって、ルームメイトと彼女って違うんじゃないの? え、一緒なの? もうわかんないよ。
最初のコメントを投稿しよう!