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相変わらず巧のことは嫌いそうだし。仕事終わりを待ち伏せまでして私と食事して何がしたいんだ。
ちなみに巧も相変わらず樹くんには『二人きりでは会うな』とうるさい。なんだこの兄弟。
「正直に言うけど、巧に止められてるの」
「だろうね。もう押し倒したりしないっていうのにさー」
「今まで巧の歴代彼女にちょっかい出してきたから心配されるのも無理ないと思うけど……ていうか樹くんはなんでそんなに私と食事に行きたがってるの? 他に相手いくらでもいるでしょう」
「杏奈ちゃんみたいな変わった子なかなかいないって」
「変わった……」
「どうやら本当に二人はちゃんと結婚してるらしいけど。それでもやっぱりど〜も腑に落ちないのも事実でねー…。ま、それは置いといて。単に一度ゆっくり杏奈ちゃんと話してみたいだけだよ。巧の幼少期の頃とか気にならない?」
ニコッと笑って言ってくる彼の子犬感はやはり凄い。ううん、前ほどあしらえないなあ……人がたくさんいるようなご飯やさんならいいかなあ。
「分かった、近くにあるご飯屋さんでいい?」
「イエーい!」
「あと、巧も呼ぶ」
「げ!?」
「それでいいね」
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