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からかいながらそう尋ねてみた。赤くなって照れてるその顔をもっと見てたいと思ってしまったのと、本当に素直に女として感想が聞きたかったせいだ。
私にそう聞かれた巧は再びこちらを見て、私を上から下までじっと品定めするようにじっと見た。その行動に戸惑う。
あれ。なんか思ってた反応と違うんですけど。これ、『身長とサイズが合ってない』とか文句が出てきそうじゃん。
しばらく私を観察した巧は、うんと一つ頷いた。そしてぽかんとしてる私に瞬時に顔を寄せ、小声で言った。
「可愛いすぎて我慢できなくなりそう」
ぎょっとして巧の顔を見た瞬間、彼の唇が私の唇を覆った。今回はチキン南蛮の味はしなかった。
今度は私が真っ赤になる番だった。全身を固めてカチカチになっていると、巧がすっと離れる。そこにあった巧の顔は勝ち誇ったように片方だけ口角を上げている意地悪な顔だった。
それを見て、ああ仕返しか、と悟る。
さっき赤くなった巧を笑った仕返しなんだこいつは。
「さ、一息ついたら飯だな」
まるで何事もなかったかのように言いながら立ち上がる巧を軽く睨みつけ、性格の悪いこの男をどうしてやろうかと心で恨んだ。
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