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そんな私をよそに、巧は表情一つ変えないまま部屋にはいりこんで携帯を充電しに行った。本当に全然意識してない顔。
それが大変に悔しかった。私だけ慌てふためいてる。
何より、巧は今までもこうして他の女の人と来たことあったのかなあ、なんてくだらない嫉妬心が自分の心を覆った。来たことあるに決まってる、ない私が異常なんだっていうのに。
「杏奈? どうした突っ立って」
「えっ。あ、私……部屋のお風呂入ろうかな!」
「ああ、せっかくなら入ってきたら」
巧はテレビをつけて興味なさそうにそう言った。私は自分の頭を冷やすためにも、慌ててお風呂へと駆けていった。
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