残念な頭でいざのぞむ

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 呆れたように言ってくる巧はいつも通りで少し安心した。そして巧はそのまま立ち上がると、部屋に付属してある冷蔵庫に移動して中を開けた。 「一本飲むか。夕飯の時杏奈飲んでなかったろ」 「あ、酔ってヘマしちゃったらいけないと思って……」 「せっかくだしゆっくりしよう、これでいい?」  巧が缶を一つ手に取って私に笑いかけた。ほっと緊張していた力が抜ける。 「嬉しい! 風呂上がりの一杯!」  冷えた酎ハイを受け取り、いそいそと窓際にある椅子に腰掛けた。巧もビールを持って向かいに座る。  開けるとプシュッといい音が響く。それを差し出して私たちは乾杯をした。 「乾杯!」  熱くなった体に酒は最高の刺激を与えてくれる。炭酸のチクチクした感覚が喉を刺激した。数口飲み終えると、ついはあーっとため息を漏らしてしまう。 「ああー天国!」 「オヤジかよ」 「て、ゆうか巧は部屋のお風呂よかった? 私が随分長湯しちゃったけど」 「俺はそんなに風呂好きでもないし、まあ朝に一回入れば十分かな」 「ふーん、楽しいのにお風呂」
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