残念な頭でいざのぞむ

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   一人吹き出して笑ってしまった私を、怪訝そうに巧が見てくる。 「あは、ううん。巧は確かに嫉妬されるほど色々持ってるけど、性格だけは悪いよねって」 「そんな性格悪い男と付き合ってんの誰だ」 「あはは、私です。私もだいぶぶっ飛んだ頭だからいいの」 「そうかよ」  不貞腐れた巧を見てまた笑ってしまう。  でも、もちろん分かってる。  どうも自信過剰で普段はムカつくことも多いけど、大事なときにはちゃんと優しい。 「さて、ようやく着いたな」 「運転ありがとう」  見慣れた駐車場に車を停める。両手いっぱいにお土産品をもち、私たちはフラフラとエレベーターに乗り込んだ。疲れを取るための温泉、むしろ疲れさせられた気もするけどまあ楽しかったかな。  自宅にたどり着き、巧が鍵を開ける。誰もいない廊下が私たちを出迎えた。電気をつけ、持っていた荷物をどんと一度おく。 「はあ、買いすぎちゃった」 「まあせっかく行ったからな」 「とりあえず着替えとかの荷物をバッグから出して、洗濯は明日かなあ」
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