残念な頭でいざのぞむ

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 昨晩樹くんがきたことにより遂行出来なかった夜を、私たちはようやく迎えることができる。だってここは邪魔者なんていない、二人の家だから。  『一つ屋根の下に暮らしてながら何をしてんだ』とおっしゃいました麻里ちゃん、ようやく杏奈は大人の階段を登るようです。  ドキドキしながら、頷こうとした時だった。  …………待て、私の部屋、だと??  一気にサーッと血の気が引いた。床に散らばったゲームソフトやDVD。それだけならまだいい。  綺麗に配置されたフィギュア、毎日挨拶をするポスターたち、極め付けが私のベッドにはもう他の男が寝ている。(オーウェンの抱き枕)  私はあんな部屋で事に及ぶつもりなのか? ええ? 「絶対ダメ」  自分の口から漏れたのはそんな低い声だった。  絶対に巧に引かれちゃう、それを断固として避けたいが故でた言葉だった。  が、巧は私の言葉を聞いた途端ピタリとフリーズした。さっきまでの熱意はどこへやら、彼はただ停止していた。 ……ってしまった! 私はバカか、言い方ってもんがある!
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