真実は?

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「あーお腹すいた! 杏奈ちゃんどれにする?」  樹くんと近くのファミレスに来た私たちは、メニューをのぞきこんでいた。     なんだかんだ、樹くんと二人での食事は初めてのこと。でも何回も会っているし、今更緊張なんかしなかった。  私はお腹も空いていないので、適当に一番安いパスタを指差す。 「じゃあこれで」 「オッケー。お酒も飲んだら?」 「え?」 「せっかくだし」  ドリンクメニューを見せられ、少し迷った挙句ビールを頼んだ。樹くんも同じように頼む。  しばらくして店員がまずビールを持ってきた。まだ昼間だと言うのに、私たちはそれを思い切り飲み込む。  冷たい独特の喉越しが少し気分をよくさせた。ふうと一つ息を吐く。 「杏奈ちゃんお酒強いんだっけ?」 「普通、かな」 「はは、普通って自分で言う人は結構強い人だよ。ほらどんどんお変わりしちゃえ!」  栗毛色の髪を揺らしながら樹くんが笑った。犬みたいな彼をみて、本当にこの子って根はいい子だよなあ、と思ったりする。  わかってる。樹くんなりの励ましなんだってこと。
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