真実は?

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 樹くんはそんな私に何も言わず、時々笑って明るい話をしてくれた。彼も何度かアルコールをおかわりしていく。やっぱりあの旅館では酔ったフリしてたんだな、と今更ながら思った。  しこたまビールを飲みまくった後、私たちはファミレスを後にした。その足で樹くんはタクシーを呼び街へと向かっていく。いつだったか、巧と映画を見にきた街だった。  タクシーを降りてどうしていいか分からない私を、樹くんは上手く誘導してくれた。それはまるで、デートしている男女のようだった。
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