隠し事はもうしない

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「う、うん、ごめんね」 「もうこれで隠し事はない?」 「はい、大丈夫です」 「それはよかった」  巧はそういうと、突如私の手を引いてすぐ隣にあるベッドに押し込んだ。やや強引な力に、私はそのまま倒れ込んでしまう。はっとして慌てて顔を上げた。 「た、たく」 「お、すげえ抱き枕。はい、今はオーウェンは床で寝ててねー」 「あ、あの、ちょっと」  いつも抱いて寝ていたオーウェンはついに床に置かれてしまった。そしてどこか意地の悪い顔をして笑う巧がベッドに足をかける。  まさか! 心の準備が! ……できてないなんて言えない、どれだけ時間があったと思ってるんだ。  それでもまさかこの部屋でそうなるとは夢にも思っておらず、私は焦りながら尋ねた。 「え、こ、この部屋集中できる!?」 「は? 男の集中力舐めんな」 「あ、えーと」 「ちょっと黙ってて。もう杏奈のペースに合わせてたらダメだってよくわかったから」  巧はそう笑って私にキスをした。自分でもわかってる、今絶対に顔が真っ赤なトマト。突然緊張が襲ってきて全身がカチカチになってしまう。
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