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素直にそういうと彼は笑った。二人分のグラスを並べて乾杯する。
そして箸を持って食事を口に運ぶと、唸ってしまいそうな味付けで感嘆した。
「おっいし、何これ」
「それはよかった」
「巧いいお嫁さんになれるね」
「嫁はお前だ」
笑いながらお酒も口にする。うん、最高。
久しぶりに訪れた穏やかな休日にホッと息をついた。
ついに私も二十八。去年は色々あった年だった。
二次元にしか興味ないけどばあちゃんの喜ぶ顔が見たくて巧と結婚して。その後ばあちゃんは亡くなっちゃたけど、巧とはまさかの恋愛がスタートして。
……信じられない一年だったよほんと。
つい一人でふふっと笑ってしまった。巧が不思議そうに見てくる。
「あ、ごめん。少し前の自分じゃ考えられない誕生日で」
「今まではどうしてた?」
「えー都合が合えば友達とご飯行ったり。でもこの年にもなると、みんな結婚したり子供いたりするから予定合わないことも多いから。普通に一人でオタ活してた」
「まあ、俺もそんなもんだったけど」
箸でご飯を食べながらぼんやりと思い出す。
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