お見舞い

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 そびえ立つ立派な病院の駐車場に車を入れて行く。そこそこ混雑しているようだった。日曜日は見舞客も多いのだろう。  空いている場所を探しながら巧は言った。 「ばあちゃんっこなんだろ」 「うんそう。昔は近所に住んでて、鍵っ子だったからおばあちゃんの家で両親の帰りを待ってたの。仕事の都合で途中で引っ越しちゃってからはあまり会えなくなったけど、それでも仲良しだよ」 「へえ」 「巧は?」 「母親の方はすでに亡くなっている。父親の方は祖母だけ生きてるが、認知症でね。俺が会いに行っても顔も分からない。元々あまり頻繁に会ってなかったからな」 「そうなの……」  空いているスペースを見つけた彼は早速駐車する。やや狭いが、一度でスムーズに入れてしまった彼は運転が上手いらしい。ちなみに私はペーパードライバーだ。  エンジンを止めて鞄を持つ。 「運転ありがとう」 「別に礼を言われることじゃない」  ぶっきらぼうにそう言った巧は颯爽と車から降りた。私も続いてすぐさま歩き出そうとした時、巧が後部座席の戸を開いて何やら漁っているのに気づく。
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