お見舞い

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 第一声がそんな言葉だったので私は笑ってしまった。中に入り、後ろにいた巧も続けて足を踏み入れる。ばあちゃんは私より背後にいた巧を見、そして嬉しそうに笑った。  巧は以前よく見ていた営業スマイルで、祖母の隣に立つ。 「初めまして、藤ヶ谷巧と申します。挨拶が遅くなって申し訳ありません」  爽やかさ満点のその姿を見て、そういえば藤ヶ谷巧ってこんな感じだったよなあと思い出す。最近性格が悪い場面しか見てなかったから忘れていた。  ばあちゃんは満面の笑みで微笑み頭を下げた。 「とんでもない、遠いところわざわざきてくださって……ありがとう。会えて嬉しいわ」 「こちら、お口に合うといいのですが」 「まあまあお気遣いありがとう、二人とも座って」  巧から見舞品を受け取り嬉しそうに言った。私たちは近くにあった椅子を引っ張りベッドサイドに構えて腰掛ける。おばあちゃんはもらった袋を覗き込んで言った。 「私ここの和菓子とっても好きなの」 「そうですか、それはよかったです」
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