お見舞い

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 突如かまされたとんでもない発言に、つい私は吹き出してしまう。それでも祖母はいたって大真面目な目で続けた。 「結婚式もいいけど子供もね! できちゃったんなら式なんてどうでもいいのよ!」 「ば、ばあちゃん……」 「どっちに似ても可愛い赤ちゃんが生まれるわねえ、楽しみねえ!」  想像するように頭を揺らして笑う。間違っても私と巧に子供なんてできるわけがないんだけど。  テンションの高い祖母に困って呆れ顔でため息をついたが、隣の巧は何故か楽しそうに笑っていた。その顔はやっぱり、子供みたいな笑顔だった。
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