来客者

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「カレーが無性に食べたい」  自分の部屋で一人呟いた。手にはコントローラー。仕事は有給を取り、以前購入した新しいゲームをやり込んでいる時だった。今回も萌えを凝縮させている大変な良作と出会ってしまった。でも、残念なががらやっぱりオーウェンが一番なんだなあ。  胡座をかいて座りながらテレビ画面に見入っている私の姿って女として終わってる自覚はある。こんな姿巧に見られたらすんごい小言を言われそう。  時計を見ると昼前だった。今日は午後に、この新居に麻里ちゃんがやってくる予定となっていた。どうやらたまたまこの近くに用があるらしく、新居をぜひ見てみたい、と言われたのだ。  唯一私の契約結婚を知っている麻里ちゃん。今日は平日なので、巧と会うことはないだろう。ちょっとお茶してこのゲームをチラッと見せて終わりかな。  さて麻里ちゃんが来るまで時間もある、そしてこの胃袋は本日カレーを求めている。普段の夕飯は一人適当に済ますことが殆どだ、時々巧がついでだとばかりに作ってくれた料理を分けてくれる。あれ、これ男女逆だよね? 「久々に作るか」
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