来客者

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 先日の事を思い出しながら麻里ちゃんに説明する。病院でばあちゃんの話に付き合ってくれ、その後ばあちゃんのために結婚式を提案してくれたこと。あれ以降ゆっくり会えてないしその話は流れてしまっているけど、やっぱり私は嬉しかった。  話すうちに出来上がったカレーを盛り付け、二人分のカレーをテーブルに置いて自分も腰掛ける。麻里ちゃんは黙ったまま私の話を聞いていた。 「てな具合で、腹黒いけど律儀なところはあるっていうかねーさ、いただきます!」 「いた、いただきます……」  早速カレーを頬張って喜んでる私を他所に、麻里ちゃんは狐につつまれたような表情でスプーンを運んでいた。 「あー我ながら美味いわ」 「なんかさー不思議すぎて味分かんないくらい。巧さんって付き合ってる愛人がいるんでしょ? そんな人もいるのに、結婚式まで提案してくれるってさあ」 「まあ、他の女との契約結婚認めるくらいだから相当変わり者の彼女でしょ」 「そうだけど、結婚式ってまた特別じゃない? それを杏奈にサラリと提案するって、不思議だよ巧さん……」
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