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昨日と同じ、夕の空――。
星の煌めきが見え始めた紫の空に、横須賀行きの小型ジェットが飛んでいく。
翼のランプが夜空に消えるまで、雅臣と見送った。
「やっと帰った」
雅臣はホッとしたようだが、同時にやっぱり寂しそうだった。
「帰ろうか、心優」
「うん」
今日はもう、家族を見送ったらそのまま二人で帰ってもいいとお互いの上司から許されている。
夕の滑走路。そこで心優と雅臣は手をつないで帰路を行く。その姿を見た隊員達が二人をみてにやにやしているのもわかっていたが、雅臣も気にならないようだし、心優も今日はそんな気分。
「ゆっくりしよう、二人で」
「うん、ゆっくりしよう。臣さん」
きっといま考えていること同じ。いますぐ、あなたと……。
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