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せっかく作ってくれたのだから、急いで食べてもそれぐらいは言っておきたい。
「臣さんの予備のシャツに、シドの大尉の肩章を付け替えたらいいんだよね」
「悪い。あいつも相当くしゃくしゃだったんだよ。連隊長秘書室の男がそれじゃあ駄目だろ。酔わせた俺も責任あるし」
「いいよ。わたしはもう食べちゃったから。臣さんも早くお風呂に入ってよ」
「まあ、俺はいまは汗まみれの現場にいるからいいかなとは思うけど。汗くさくて当たり前の世界だからな、最近、トワレとか興味なくなってきたしなあ」
「でもシャワーぐらい浴びていってよ。さりげなくトワレの匂いがする臣さん、うんと素敵だったのにー。室長だった時、そんな大人のビジネスマンみたいな臣さんに、わたし、すっごい憧れていたんだよ」
「わかった、わかった」
「もう~。お父さんみたいな言い方」
若い心優に親父臭いと言われると、雅臣もドッキリしてしまう。最近、ちょっと気にする臣サン。
「臣さんがお父さんみたいに一から十まで男臭くなったら嫌だな、わたし。奥様達はほんとうに臣さんのこと『笑顔が爽やかな大佐さん、元エースパイロットで鍛えた身体でスタイルもよくて素敵。秘書室長だっただけあってビジネスマンみたいな身なりを心得ているし、三十半ばだなんて信じられない』なんて言ってくれているんだからね」
一応、奥様達から見るとまだ若々しくみてもらえているらしい。
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