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そんなある日、男は村のある家の食べ物を盗んだ罪を着せられ、納屋に押し込まれて殴られた。
「俺はやってない!もう盗みはやめたんだ!!」
男は抗議したが信じてもらえず、しばらく殴られ続け、その後にようやく解放された。
盗みなどとっくにやっていない。これも好きになった娘の為に…
「…早く帰ってアイツの顔が見たい…アイツなら信じてくれるはずだ…」
愛する娘の顔を思い浮かべ、ボロボロのまま家に辿り着いた男だったが、娘は家の中にも外にも姿がなかった。
「居ない…!どこに行ったんだアイツ…探しに行こうにももう疲れちまった…酒でも飲んで待つか…」
男はしばらくやめていた酒を久々に飲み、寂しさと、濡れ衣を着せられた苛つきも相まって少々飲み過ぎてしまった。
「アイツ…まさか俺が盗みを、やったんじゃないかと、言いふらしに行ったんじゃ……だとしたら…ただじゃ置かない……」
酒にすっかり酔い、疑心暗鬼になった男は、しばらくして戻って来た娘を押さえつけた。
「あなた…!?」
「お前か…!?俺が村のやつの食い物を盗んだと言ったのは…!俺じゃねえ!!」
「何のことです??私はそんなこと…」
「とぼけるな!お前を信じてたのに…!!それに、逃げようとしたのか!?お前は俺から逃げられないと、教え込まなきゃだめなようだな…!!」
男はそばにあった縄を娘の体に乱暴に巻きつけ、動けないようにした。
「なぜ…!?一体どうしたのですか…!?」
「どいつもこいつも俺が盗みって…!!誰ももう信じられねえ…!お前だって疑ってるんだろう!!」
「そんな…っ!!私は疑いません…!!あなたが好きなのに…!!」
「うるせぇ!!逃しはしない!離さないぞ!」
男は酒に酔ったまま、動けない娘を抱きしめ、娘は訳もわからぬまま男の腕の中で泣き続けた。
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