その乾いた心に… 〜愛する君へ〜

5/5
前へ
/5ページ
次へ
目が覚めると、あの娘が目の前にいた。 「あぁお前…人間に戻ってくれたのか…!会いたかった!!お前には謝らなきゃならないことがたくさんあるんだ!!だがまずは…もう水が無いんだ…あれが最後で……」 娘は嬉しそうに笑った。 「あなた、もう大丈夫です…水も食べるものも、ここにはありますから…!もう苦しまないで……」 いつの間にか周りは、しばらくぶりに見た美しい青空と、初めて見る、広がる緑の草に花々が咲き誇る場所で、娘は幸せそうに笑っていた。 「もう、お前が花に戻ったままにはならなくて済むのか…?人間の姿でもいられるのか…??」 「はい…!あなたが望むなら、どちらの姿でも、ずっとあなたのそばにいられます…!!私も…あなたのそばにいたい…!!」 男は娘を抱きしめた。 「お前…悪かった…本当に悪かったな……愛している…もう離さない…!」 「もう良いの…あなたが私のもとに来てくれたから……ありがとうあなた…!!」 娘が笑って頷くと、二人は目の前に広がる花園を見つめながら、一際輝く光を目指し、共に歩き出した……
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加