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「で、どうして姿を変えてモンスターなんて倒してるんです?」
「それはあなたからお話しください」
なんでこんなことになったのか。ユージェニィはメイド立ちあいのもと、ダレンを自室に入れた。両親が知ったら卒倒ものである。
「なぜ。賞金稼ぎなどしてらっしゃるんですか?」
「金のためですよ。金は多い方がいい」
「ご商売、上手いこといってませんの」
「いってますよ。でもね、それでも商売を拡張するには資金は足りない。銀行は貴族でないとなかなか貸してくれません」
「そうでしたの。お家のためでしたのね」
昼間の彼とは別人だ。
「後、日頃のストレス解消」
前言撤回。
「僕がダレンとわかれば賞金にも税金がかかります。だから正体は隠しました」
感動を返してほしいとユージェニィは思った。
「さて。僕のことは話しました。次はあなたの番です」
「その前に。わたくしの正体をどうやって見破りましたの? わたくしは姿も声も魔法で変えましたのよ」
「魔法で姿を変えたのならそれを見破る魔法もまたあるんですよ。さ、今度こそあなたの番」
「他言無用に願います」
「もちろん」
「倒したい人間がいます。強くなるために賞金稼ぎを」
「倒したい相手は魔法使いですか」
「ええ」
「誰です?」
「ノウ」
今度はダレンが固まった。
「随分、大物を狙っているんですね」
ダレンは笑いながら言うが、目は完全に笑っていない。
「仲間は」
「いません」
「あの悪魔をひとりで倒すおつもりですか。某国の専属魔法使いを皆殺しにした男ですよ」
「そうです」
「なぜです」
「わたくしの兄だから」
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