「君に恋して」 ~無敵な桜~

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君に恋して ~無敵な桜~ 072a50be-7008-4356-9010-926a7b980160 僕は 彼女に恋をした 彼女は 僕の真下にいてつぶやいた 「なんてきれいな桜なの・・・」 僕は、そんな彼女に恋をした でも 僕は そろそろ彼女とお別れだ やっと 愛する人にめぐり合えたというのに せっかく 数百年かけて 愛する女性にめぐり合えたというのに でも 仕方がないんだ 僕たちは 暑い夏は地下の奥底で息を潜め 寒い冬には 地下のさらにその下で  春のために栄養を補給しなければいけないんだ そうしないと 僕たちは死んでしまう 僕は 次の日から はらはらと花びらを落とし始めた 彼女が 瞳を潤ませて言った 「また 逝ってしまうのね」 僕は 覚悟を決めた 僕は 全身に力をみなぎらせて 息を抑え 花びらを落とすのを止めた
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