詩人極光になる刹那

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 つれない女よ、おお女よ、私を見殺しにして、腐肉を食わせる女よ。お前は一等美しいが、魂はなんと穢れていることか……。お前の魂を解放させる時まで、私は書くだろう、詩を、文章を、お前に手向ける一切の華を天空に散らばせて、忍び音を立てて、お前を今度は見殺しにする。  純粋な水面の上で、舞踏を織りなす女よ。甘き香りの滝津瀬の髪、麝香をまぶして、お前は狂気に触れていく。私を解放させろ、その地獄に落下する堕落の文章によって。  私はフランス語を話しながら、お前に感受性を訴える。綺麗な彗星が尾を引いて現れる時、お前は天空に散る花々となり、神の足元でまどろむ幻の猫となる。なんと愛おしいのか、お前は究極の神の足元で、朽ちていく幻となる。  アーメン、私は祈りを捧げ、満たされていく……。
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