とりあえず保留

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とりあえず保留

「とにかく、その三つには惹かれねぇ。なんか他にないのか?」 「そうですねぇ、今のグレードだとあとは『演歌でイントロの長さぴったりにナレーションを入れる能力』がありますけど」 「なんで宴会芸なんだよっ!」  花に突っ込みを入れながら俺はふと気づいた。 「おい、『今のグレードだと』って言ったか?」 「そうですね、まだ花も1つしかついてないですからねぇ」 「それじゃ、もっと大きく育てりゃ、選択肢も増えるってことか?」 「はい、グレードが上がれば開花する才能のレベルも上がります」 「よし、それじゃ今は保留だ!」 俺はその日から花の世話に明け暮れた。
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