59人が本棚に入れています
本棚に追加
才能の花の限界
「いやいやいやいやまてまてまてまて!」
俺は四年前と同様に突っ込んだ。
「なんでここに来てまた花咲かせなきゃならねぇんだよ! こんだけ咲いたら、透明になれる能力とか空飛べる能力とか、選べても良さそうなもんだろうがよ!!」
花は不思議そうに揺れながら言った。
「才能は開花させることしかできないんですよ。あなたが持ってない才能を花開かせることはできません」
「な、なんだって!?」
ガックリ肩をおとした俺を見て、花は諭すような声で俺を慰めた。
「なぜ落ち込むのです? フラワーマスターですよ!? 最高位の能力ですよ?」
「そうだよな。この四年間、必死に勉強して手に入れた能力だ。お前もきれいに咲いてくれたし、落ち込むことはないよな」
俺は気を取り直して大きな声で言った。
「さぁ、就職先でも探すか!」
最初のコメントを投稿しよう!