才能の花の限界

1/1
前へ
/9ページ
次へ

才能の花の限界

「いやいやいやいやまてまてまてまて!」 俺は四年前と同様に突っ込んだ。 「なんでここに来てまた花咲かせなきゃならねぇんだよ! こんだけ咲いたら、透明になれる能力とか空飛べる能力とか、選べても良さそうなもんだろうがよ!!」 花は不思議そうに揺れながら言った。 「才能は開花させることしかできないんですよ。あなたが持ってない才能を花開かせることはできません」 「な、なんだって!?」 ガックリ肩をおとした俺を見て、花は諭すような声で俺を慰めた。 「なぜ落ち込むのです? フラワーマスターですよ!? 最高位の能力ですよ?」 「そうだよな。この四年間、必死に勉強して手に入れた能力だ。お前もきれいに咲いてくれたし、落ち込むことはないよな」 俺は気を取り直して大きな声で言った。 「さぁ、就職先でも探すか!」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加