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悪魔襲来
しかし、去年の桃色の季節から様相が変わった。これまでとは違う敵――悪魔サー・ズコブツが現れたのだ。
サーズコブツは、この惑星の人間という無魔力知的生物だけを襲う。魔巨樹とは比べ物にならない力。魔巨樹はヒノ國の民に涙や鼻水をたえず流させる程度(ずっと流れているのも辛いのだが)だったが、サーズコブツは世界中の人を死においやる力を持っていたのだ。しかも、姿を隠して近づいてくる。
人間は恐怖やパニックに陥った。
「助けて。シールドナイト!」
新たな敵にも防御力があるシールドナイトはひっぱりだこになった。各地でシールドナイトの争奪が行われ、値がつりあがりもした。
そんな中、ヒノ國で特に魔巨樹の被害に苦しんでいたあたしは焦らずにすんだ。
桃色の季節にはシールドナイトが必要なことはわかっていた。だから、シールドナイトの需要が高まる前からすでに手配できていた。
おかげで、桃色の季節はいつもどおりシールドナイトに守ってもらえたのである。
緑色の季節になっても、魔巨樹のようにサーズコブツはいなくならず、シールドナイトとの生活が続いた。
普段なら取りやめる時期。サーズコブツの暑苦しさに耐えられなくなるころだ。
正直なところ、去年と同じようにやめたかった。けど、サーズコブツが恐ろしくて、シールドナイトを求め続けた。
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