第6話 疑問※R-18

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第6話 疑問※R-18

浴室は大理石で広く、マンションの設備と変わらない。 気づくとお湯はぬるめにしてあった。 「一緒に入ろう」 なんて、直真(なおさだ)さんから優しい口調と笑顔で言われたら、私も断れない。 それをわかっていて、直真さんは言ったのだろうけど。 お湯の中でラブラブでイチャイチャような可愛いイベント的な抱き方をしてくれると思っていたのにさっきの仕返しか、ずっとぎりぎりのラインを触れられていて、一番、感じるような部分は絶対に触らない。 顔を自分の目の前に向けさせると、脚の上に(またが)らせた。 力を失って崩れ落ちるまで(なぶ)るつもりだった。 「…っ、あっ……」 胸の突起に触れるか触れない部分を指でなぞって、脚を下腹部にあてては私の反応を楽しんでいた。 「やめっ……」 やめてと言おうとすると唇を重ねてきて、舌を絡めた。 少しでも拒むことを許さない。 「キスだけで感じてるのか?」 「ちがっ……」 反論しようとすると、下腹部に指が浅く差し込まれてかき回した。 感じて足が震え、崩れないように耐えているとそれを嬉しそうに直真さんは眺めていた。 「気持ちいいんだろう?」 首を横に振ると、くすりと意地の悪い笑い声が耳元でした。 胸の突起に舌が這い、軽く吸われただけで体が跳ねた。 「やっあっ」 今まで我慢してきたのにそれを一気に引き出そうとするかのように責め立てられて、直真さんの肩をきつく握った。 「ねだってみせろよ」 「ひっ……どいっ……」 「欲しくないなら、いいぞ」 硬いものが押し当てられただけで、下腹部がじんっと熱くなるのがわかった。 焦らされ続けてきたせいで、苦しい。 反撃しようと直真さんの耳を甘く噛んだ。 「…っ、おまっ……」 熱い息を吐いて、耳元で囁いた。 「直真さん……」 「なんだ」 汗ばんだ直真さんの顔が近い。 「ここより、ベッドのほうがいいです……」 「お前は本当にとんでもない奴だな。俺に噛みつく女なんかいない」 そう言いながら、お湯から体をすくいあげて、バスタオルに包むと寝室まで連れて行ってくれた。 バスタオルのまま、真新しいシーツに横たえると、直真さんは何度も体にキスを落とした。 「あっ……んっ」 体を這う唇が吸いつき、痕を残す。 独占欲の強い直真さんは必ず体に自分のマーキングをする。 脚を抱えられて、やっとこの苦しさが終わる―――そう思っていたのに浅く入れただけで止められた。 「どっ……して」 「さっき、軽く達しただろ?」 まるで、それが悪いとでもいうように浅い部分を繰り返し擦られ、前の固い粒を指で押しつぶした。 「あっ……やぁっ……んうっ……」 体を悶えさせる姿を楽しむように蜜に濡れた指が何度もぬるりと固い粒に触れた。 粘液の絡む感触がたまらず、達しそうになると、手を止める。 それを何度も繰り返され、泣き声に近い喘ぎ声をあげても許してはくれない。 こんなの苦しすぎる――― 「ひぁっ、あっ」 目尻から涙を零すと、それを舌が舐めとった。 「欲しいなら、自分からねだれ」 シーツを固く握り締めて首を横に振ると、直真さんは胸を同時に嬲り始めた。 それも胸の突起に触れるか触れないようなところを舌で舐めて―――声をあげさせた。 「手強いな」 ぽたりと汗を落とした直真さんは笑って言った。 悪魔みたいに綺麗な顔をした直真さんに手を伸ばした。 「有里―――」 その顔を手で包み込んでキスをして、直真さんの髪をくしゃくしゃにした。 「……お前が誘うのかよ」 こらえきれないのか、苦し気に息を乱した。 ピッと破る音が聞こえてゴムをつけたのだとわかった。 だから―――どうして。 その問いは言葉にならず、熱く硬いものを中に押し込まれて圧迫感で声を殺した。 我慢していたのは私だけじゃない。 「ひぅっ…ああっ、あっ!」 中を激しく擦りあげて、悲鳴に似た喘ぎ声を出させると、満足そうに見下ろしていた。 意識が飛びそうになるのをなんとか、耐えながら、奥をえぐる感触がたまらずに体を痙攣させると、深くまで繋がり、ゴム越しに熱いものが吐き出されたのを感じた。 「んっ、くっ……」 ぶるぶると身を震わせて直真さんに抱きついていると耳元で直真さんが囁いた。 「ベッドの中でくらい素直に俺を求めろよ」 その声は切なげで甘い。 何度も愛おし気に直真さんは唇を重ねてきた。 嫌われてなんかいない―――だけど、どうして? 聞いていいのか、悪いのか。 わからない。 でも、今は何も言えなかった―――
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