第一話

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そんな朝を過ごしたら、大体電話がかかってくる。 相手は戸村(とむら)(りょう)。 俺の大学のバンド仲間でありながら、好きな人。 「もしもし。はよー、文也。」 「おはよー。涼。」 「今日も駅で待ってるから、早く来るんだよ!」 「わかってるって…。」 そう言って電話を切って、朝の準備をする。 電車の時間まであと30分。家から駅までは10分だから、20分の間、ワックスをつけたりして、時間を過ごす。 大学の教科書をリュックに詰め、ギターを肩にかける。今日は1時限目だけ涼と同じだから、涼と一緒に行く。1日のスケジュール確認だけして家を出る。
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