いつの日からの日常

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制服のまま、天井を見上げながらそう小さな声で呟いた。 ベッドの上は、ぐちゃぐちゃのシーツ。 ぐちゃぐちゃの布団。 そんなベッドの上で、あたしは両腕を額に乗せて目を閉じる。 けれど。 その腕は簡単に引っ張られた。 「だめ。簡単に死なせない。」 気付かなかった。 いつの間に。 ぼうっとそんな事を思いつつ、あたしは茶色いさらさらの髪をしたその契約相手に視線を向ける。 「何で勝手に入ってきてんの。」 切長のその目を向けて来るそいつにあたしは素っ気なく口にする。 未だに、何を考えているのか分からない。 一応ずっと昔からの付き合いではあるというのに、あたしはこの男が分からない。 契約相手ではあるけれど。 あたしと契約を結んだその理由も、見当がつかない。 普通なら、そんな契約なんて結ぼうとしないから。 自分だっておかしな事だって自覚はしているから尚更。 「勝手に死なれでもしたら、俺の楽しみがなくなるでしょ。」 それ、答えになってないんだけど。
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