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死にたいあたし。
そんなあたしを殺してくれるこいつ。
明解な契約だ。
こいつがアブノーマルな性癖を持ってるのか。
はたまた興味本位なのか。
まぁ、どんな理由だろうとあたしには知った事ではない。
あたしを殺してくれるのなら、それで良い。
そうだというのに。
契約を結んで、どれくらい経っただろうか。
まだ、あたしは生きている。
「あんたはちゃんと俺が殺すんだから。」
「っ、ん、」
そうして、始まる。
いつものように。
あたしの傷を確かめて、その後に必ず。
「、ふ、」
さっき無遠慮に腕の傷を押し広げていたくせに。
この時だけ、別人のように触れてくる。
胸を包み込んでいた下着がずり上げられて、直接その大きな冷たい手のひらが不規則な動きで膨らみを揺らす。
きゅっと、偶に尖ったそこを押し潰されて甲高い声が漏れそうになる。
けれど、口元を自分の手の甲で抑えていたからそれは防がれた。
そうして、見下ろしてくるこいつから目を背けるようにベッドに頰を擦り付ける。
「声我慢すんなって言ってるだろ。」
そんな声が耳に入ったと思えば、口元に当てていた手を取られて空いた手でその手首をベッドに押し付けられた。
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