謎の老人

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後日 僕は  本社の社長室に呼び出され 本社の経理部経理係長に昇格した 社長は言った きっと 親父が 君を  発見したんだ 親父は 君のような 純朴で 誠実な人間を 愛していたからね 親父の骨 重たかったろう? 何しろ 親父の骨壺は 純金で できているからね 母さんは また君に 会いたいと言っている 家に着くなり  余程 疲れたのか 倒れるように眠ってしまった 君を見て とても心配したらしい いつか 君といっしょに 旅行に行きたいとさえ 言っている あんな優しい 気が利く人 なかなかいないわ と 君のこと すっかり お気に入りさ あと一つ 忠告しておこう 親父に 見込まれた人間は また きっと 親父に遊ばれる 覚悟を決めてくれ どうすることもできないんだよ 僕もね 時々 ひどい目に遭うんだ 嬉しいよ 初めての仲間ができて 社長は そう言って 僕に 握手を求めた 完
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