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『これでいい…?』
南の右肩に顎を乗せ、呟く。
「うん。ありがとう…。」
そう言うと、南はわたしの左頬に頭を寄せた。
『何か、不安にさせてる…かな?』
「……。」
『南…?』
「ううん…。わたしが勝手に、いろいろ考えちゃってるだけ。」
『いろいろ?』
「うん…。」
「しーちゃん、また背…伸びたでしょ?それに昨日もだけど、後輩の子とか…しーちゃんのこと慕ってそうだし。前よりしーちゃん、明るくなった気がするし…。」
「中学の時より、絶対格好良くなってるもん。モテそうだもん。しーちゃんは、わたしの恋人なのに…。」
『南…。』
回した腕に、思わず力を込めた。
少しの間、南を腕の中に閉じ込めるように、抱きしめた。
そして、
『南、こっち向いて…。』
「えっ?」
『いいから、ほらっ…。』
「あぁ…はい。」
南をこちらに向かせる。
胡座をかくように座るわたしの前に、女の子座りで、ちょこんと座る南。
『南…。』
南の右手を、両手でそっと握った。
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