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『言ってなかったけど、南が入学してくるの、本当に楽しみだったんだ。』
『電車で毎日一緒に帰れるんだなぁ…ってさ。柄にもなくワクワクしたりして…。』
「しーちゃん…。」
南が、自分の左手をわたしの両手に重ねてくれる。
『わたし鈍感だし、口下手だし…。南が不安になること、これから先もあると思う。でもそんな時は、1人で悩まずに、何でも話して欲しい。』
『南のこと、その…大好きだから。』
「しーちゃん…。(泣)」
人差し指で鼻先を擦るわたし。
そんなわたしに、南は、瞳を濡らしながら、静かに抱きついた。
「やっぱり、しーちゃん人たらしだー。前はそんなこと、簡単には言わなかったもん。(笑)」
『人たらしって…。(汗)』
「でも、分かった…。何でも、話すようにするね。」
『うん…。お願いします。』
南の背中に回した腕に、力を込める。
「こういう優しい感じ、他所でやらないでね?」
『当たり前じゃん、そんなの。南にしかしないよ…。』
「本当かなぁ?」
『本当です。』
やっぱりわたし、全然信用無いですね。(汗)
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