君が好き

文化祭

「しーちゃん…。」
『うん？何…？』

５月下旬。
いつもの、駅までの帰り道。

「あの…さ…。来月、文化祭あるでしょ？」
『えっ、あぁ…文化祭ね。』

「その時ね、その……。しーちゃんと二人で、その…回れるかな？…って、思って…。」

と、モジモジ南さん。
いつになく弱気な姿が可愛い。

『一緒に…？別に大丈夫じゃないかな…当番の時じゃなければ…。』
「本当に？よかったー。」

『普通に言えばいいのに…。何でそんなに緊張してるの？』
「先に誰かと約束しちゃってるかなぁ？…とかね、ちょっと思ったりして。しーちゃんも、仲良い人いるだろうし…。」

『おぉー。南が成長している。そして、大人になっている。(笑)』
「しーちゃん、完全にバカにしてるでしょ？わたしだって成長するんだからね。」

ほっぺた膨らんでますよ。

「じゃあ、約束ね？」
『うん、分かった。』

「楽しみだなぁ…。フフフフ…。」

いつもの南に戻った。