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猫は黒と白と茶の三色の毛が生えている三毛猫だ。お母さんの友達が飼っている猫が子猫を三匹産み、その中の一匹をくれた。
名前は美希と名付けた。名前の由来はわたしの美穂の美とお母さんの希の漢字から取った。
「今日から君の名前は美希ちゃんだよ。よろしくね」
わたしは、美希の頭を撫でながら言った。すると、この名前が気に入ったのか美希はにゃ~んと鳴き返事をしてくれた。わたしは嬉しくなって美希をぎゅーと抱きしめた。
「美穂ちゃんと美希ちゃんは仲良しだね」
お母さんがわたしの頭をぽんぽんと軽く叩き撫でた。
「うん、美希ちゃんはわたしの妹みたいな感じだよ。ねっ、美希ちゃん」
わたしが美希の顔を見るとにゃんと可愛く鳴いた。ずっと、ずっと仲良くしようね。わたしはもふもふの可愛いお腹に顔を埋め微笑んだ。
わたしは小学校から帰るとランドセルを机の上にぽーいと投げ捨て美希と遊んだ。美希が居てくれるだけで幸せだった。
そう幸せだったんだけど季節の移り変わりとともにわたしの大切なものは美希だけではなくなっていった。
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