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1 美穂 大好きな猫
あの時の君は小さくてふわふわでもふもふで息をしているのか心配でわたしは何度も君に顔を近づけて確認した。
まるで動くぬいぐるみのような君は可愛くてわたしの宝物。
「ねえ、お母さん、猫ちゃん長生きしてくれるかな?」
わたしは、座布団の上で眠る猫をちらりと見て言った。
「そうね、きっと美穂ちゃんが優しくしてあげたら長生きしてくれると思わうよ。でも、もしそうじゃなくてもこの家の猫になれて幸せだったと思えるくらい可愛がってあげてね。そしたら美穂ちゃんより早く天国に行ってしまっても猫ちゃんは、美穂ちゃんを天国から見ていてくれるはずだからね」
お母さんは、そう言って微笑んだ。
「うん、可愛がるよ。大切にするよ。絶対可愛がるから長生きしてね」
わたしは、座布団の上でスヤスヤ眠る猫の頭を撫でた。あたたかくてふわふわで生きているんだなと感じてドキドキした。
この子をわたしが守ると思った。
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