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クラス中から注目を浴びているスズはうつむき、黙り込んでしまった。
「あたしは盗作なんてしてない……」
「でも、あれはスズが書いたものだよね? 他の人の作品を使ってた」
サチが言う。
「違う! あれは、そういうもので……」
必死に弁解しようとしているが、うまくいかない。
「そういうものってなに? 盗作するのが当たり前ってこと?」
サチが更に追い打ちをかける。
「そうじゃないけど……」
「じゃあなに? あたし、スズはすごいなって思って憧れてたのに」
「そんな……」
サチの言葉にスズは今にも泣きだしてしまいそうだ。
その時だった。
スズのスマホが鳴り響いた。
ホッとしたような表情を浮かべてスマホを確認するスズ。
「ちょっと、電話だから」
そう言って教室を出ようとするスズをサチが引き止めた。
「逃げるつもり?」
「そんなことしない。担当さんからの電話なの。出なくちゃ」
そう言ってスマホ画面を見せてくるスズ。
確かに、出版社からの電話みたいだ。
「それなら、ここで出てよ」
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