炎上

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サチの言葉にスズは動きを止めて目を見開いた。 「ここで……?」 「そうだよ。変な事言わないか気になるじゃん。ねぇ、みんな?」 サチの言葉にクラスメートたちはヤジを飛ばすように賛同した。 高校生作家という夢のような肩書を持っているスズが相手だから、その転落を見て見たいと願う生徒も多いのかもしれない。 「ほら、出なよ。みんなにも聞こえるようにスピーカーにしてね」 「そんなことできるワケないでしょ? 仕事なんだよ!?」 「だからこそでしょ? あたしたちはスズの本当のことが知りたいの。スズが潔白だってわかれば、ちゃんと作品を楽しんで読むことができる」 サチの言葉に思わず笑ってしまいそうになった。 サチは誰が書いた小説だろうと読まない。 活字が死ぬほど苦手なのだと、以前言っていた。 「こんな時間に電話してくるってことは、相当急いでるんじゃない?」 今はまだ7時台だ。 学生作家のスズに電話をする時間じゃないことは、担当さんだって理解しているはずだった。 「それはそうだけど……」
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