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そうこうしている間にも、電話は鳴り続けている。
相手はかなり焦っているのかもしれない。
スズもその事に気が付き始めたのは、諦めたように電話にでた。
「はい」
『尾澤先生！ あぁ、よかった出てくれて！』
サチが言った通りスピーカーになっていて、相手の声は筒抜けだった。
あたしはスピーカーだとバレないように息を殺して、その会話に耳を傾けた。
「あの、どうしたんですか？ こんな時間に」
『先生、ネットは見ていますか？』
その質問に、サチが再び青ざめた。
こんな朝早くからサイトの書き込みについての電話があるということは、出版社もスズのことを随分と気にかけていたのだろう。
「はい……」
スズの声が震えている。
『同人誌活動をされていたんですか？』
「いえ。あれは、友人に頼まれて書いた夢小説です」
スズはそう言い、あたしへ視線を向けた。
『そうですか。尾澤先生は今注目されている作家さんなので、夢小説などをネットにあげるのはやめていただきたいのですが』
「わかっています。あれは、友人が勝手に……」
「ひどい！！」
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