炎上

8/15

31人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
あたしは大きな声でそう言い、両手で顔をおおってその場に崩れ落ちた。 「全部あたしのせいにしてる!」 そう叫ぶと、スズは慌てて電話を切ってしまった。 「おい、どういうことだよ」 「だって、それは本当のことだから!」 「ちょっと、アキコ泣いてんじゃん。盗作する上に友達泣かすの?」 サチがスズを睨み付けてそう言った。 「違う……あたしは盗作なんて……」 「スズの小説買うのやめようかなぁ? デビュー作も盗作なんじゃない?」 「そうだよね。友達泣かせても謝らないしさ」 「人の作品盗んで受賞してたなんて、最低……」 クラス内からスズを中傷する声が聞こえて来る。 あたしは手の隙間からスズの様子を確認していた。 泣いているなんて、当然嘘だった。 普段クラスカーストトップで威張っているスズは、どうすればいいかわからずに立ち尽くしている。 所詮、あたしやサチの後ろをついて回っていただけだ。 マキ殺しのときはちょっと驚いたけれど、大したことない。 「違う……あたしは盗作なんてしてない!」
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加