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サチとスズの机は近い場所にあるけれど、そんなところまで確認していたなんて知らなかった。
「もしかして、最初からスズをターゲットにするつもりだったの?」
そう聞くと、サチは肩をすくめて「スズの態度があまりにムカツいたら、やってやろうと思ってたよ」と、答えた。
「それでスズを観察してたんだ」
「まさか本当にイジメることになるとは思わなかったけど」
サチはそう言いながらメモ帳を確認した。
そこには乱雑な殴り書きがされていて、文字が読めないところも多い。
「こんなので小説が書けるの?」
眉間にシワを寄せてそう呟くサチ。
「さぁ? 本人にだけわかればいいんじゃないの? それより、さすがにすごい量だね」
メモ帳はこの前ヨシキに買いに行かせたものだけれど、もう半分くらい文字で埋まっている状態だった。
「これ、切り刻んだらスズはどうなるかな?」
そういいながら、サチはもう笑っている。
あたしの脳裏にも一瞬にして泣き叫ぶスズの顔が浮かんできていた。
同時に、胸の奥から優越感が湧いて来る。
「サチの好きにすればいいと思うよ」
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